陶磁器展示場

陶磁器を作成しています。高橋陽のブログです。

製作技法の説明

斗々屋の釉質と緋色

kirsch.hatenablog.com主に釉薬と土について。全体的なことは上のリンクをご覧ください。 斗々屋は普通の透明釉のことも多いですが、それ以外にもいくつかパターンが有り、その中でサラサラした、粒感のあるものに近づけないかと思い試行錯誤しました。 こう…

斑 ぐい呑

カイラギと言うか、釉薬全体に気泡が発生し、凸凹しています。炎の影響を如実に感じられる焼き上がりかと思います。釉薬の構成は他の斑と似たようなものですが、焼成方法を変えています。 窯出し後、一見して失敗だなと思いましたが、よく見ると悪くないよう…

井戸

・自作の井戸 釉薬についてですが、井戸の釉薬はとらえどころがありません。喜左衛門もあれば宗及もあり、細川もあり… 一つポイントと考えているのは青磁っぽいものはあるが、そのものではないというところです。青み帯びるものはあるが、井戸型で真っ青なも…

青磁

青磁は中国における偉大な達成です。初めから玉を目指して作り上げたのか、自然釉を発見したことで人工的な玉を作り上げることが出来ると夢想したのか、どちらが先かはわかりませんが、とにかく五代から宋にかけて古の陶物師達が本物の玉器に勝るとも劣らな…

斑釉 2

kirsch.hatenablog.com 以下新作です。 青斑の出方はより古唐津に近づいてるかなと思います。 土の焼き締まりは程々(普通に使用して漏れることはないが、貫入にはすぐ色付く)です。岸岳系のものは陶片をみても、吸水性がしっかり分かる物が多い。しかし、…

斑釉について

斑唐津に範をとり作成しました。 斑唐津は珪酸分が多い原料を使用した灰釉だと思います。古唐津に限らず古陶磁の原料というのはわかっていない部分が多いので、なかなか断定的な事は言えないのですが、おそらく三原料を合わせた釉薬だろうと思います。珪酸分…

堅手について 2

今回作成した堅手も前回と概ね同じコンセプトです。 kirsch.hatenablog.com ただし、焼き方や灰の処理、土石の精製法の違いなどで微妙な違いが出てきます。 玉子手と称される高麗茶碗には、薄灰色の胎に白色の御本などとても淡い色の窯変をおこしているもの…

斗々屋について 2

斗々屋には大別すると2つの形があり、今回はその点を意識して作成しました。つまり、碗なりと朝顔形です。 碗なりのものは本手斗々屋などと呼ばれており、豪快な縮緬皺を呈するのはこのタイプに多いようです。朝顔形のものは平斗々屋と呼ばれ、本手斗々屋と…

熊川について

以下、自作の熊川について説明です。 熊川茶碗は高麗茶碗の一種で、主に形に従って分類されるようです。丸っこい碗なりとはっきりとした端反り、見込みの鏡が特徴です。 釉薬や土は本歌でも非常に多様で、枇杷色のザックリしたそれほど焼き締まってなさそう…

斗々屋について

斗々屋は李朝の時代に作られたものですが、青磁から白磁への移行の過程でいわば徒花的に作られた堅手や井戸などとは全く違う特徴があります。 斗々屋の特徴としては、御本が出ている、白色でない、土がサクサクしていて縮緬皺が出ている、などが挙げられます…

堅手について

堅手は李朝において白磁を目指して作られたが、そうなり切れなかった物の総称という感じでしょうか…。結果的に様々な形態を取るようです。 青磁と白磁の合いの子、焼き締まっているが白くないもの、白さは十分だが焼き締まっていないものなど…。その中で特に…