斗々屋の釉質と緋色
kirsch.hatenablog.com
主に釉薬と土について。全体的なことは上のリンクをご覧ください。
斗々屋は普通の透明釉のことも多いですが、それ以外にもいくつかパターンが有り、その中でサラサラした、粒感のあるものに近づけないかと思い試行錯誤しました。
こう言った粒感は比較的単純な長石主体の釉薬でも似た感じになります、そうすると今度は焼くのが難しいです。長石は溶けてから流れるまでの温度帯の幅が広い(ただ焼くことを考えた場合)使いやすい釉薬ですが、その幅の中で温度や時間によって表情を変えます。ただ、このサラサラ感は古作の中ではそれほど稀なものではないため、焼き方に関わらずこの様になりやすい組み合わせを探ってみました。
粒感というかまずまずサラサラ感は出ていると思います。土の発色も御本というか緋色。斗々屋に限らず、見込みに赤みがさしている高麗茶碗がありますが、これは土の性質だけでなく重ね積みのため、冷却中に下の器物から熱が上がってきて徐冷されるからではないかと思います。
ほとんど鉄分がない土です。一部分ではなく見込みを中心に全体に赤みが広がっている。御本は徐冷とそこまで相関がないようですが、緋色はある程度ゆっくり冷えないと出てこないようです。
斗々屋の轆轤目について補足しますが、「霞」や「ただし、薄さを考えなければ井戸のような大小の動きのある轆轤目がつくようなやり方も出来る。また、まとまりのない(水に溶けやすい)土を使用した場合、力を加えると形が変わるとともに容易に削れていくためそれほど強い力を加えなくてもはっきりとろくろ目がつきます。
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