陶磁器展示場

陶磁器を作成しています。高橋陽のブログです。

斗々屋について

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斗々屋は李朝の時代に作られたものですが、青磁から白磁への移行の過程でいわば徒花的に作られた堅手や井戸などとは全く違う特徴があります。

斗々屋の特徴としては、御本が出ている、白色でない、土がサクサクしていて縮緬皺が出ている、などが挙げられますがすべてを兼ね備えていないものも斗々屋と呼ばれています。最低限、薄い釉薬がかけられた有色の李朝茶碗であれば斗々屋と分類されるうるようです。

釉が非常に薄く、青磁白磁のような均一な色や質感は端から目指していないように感じられます。また、土との反応が顕著で、金属量の僅かな差、焼成条件の違いで多様な色彩を示します。ただし、本歌の中には磁器のごとく固く焼き締まっているものが少なくないようで、器形も平茶碗や口辺が外反した碗なりの重ね積みのしやすそうなものが多く、白磁のように実用的な陶器とも言えそうです。しかしながら、その侘びた風情から一部は日本からの注文で作られたとの説もあるようです。

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今回作成の斗々屋では色は枇杷色から朽葉色、その中で御本や片身替わりなど、土と釉薬の反応の面白さを感じさせるような焼成条件を狙いました。器形は特に何かをモデルにせず重ね積みしやすく、茶が飲みづらくないことを基準に作っています。縮緬皺の様相は削りのタイミングや道具で変わってくるので、出ていないものもあります。

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