陶磁器展示場

陶磁器を作成しています。高橋陽のブログです。

2017-01-01から1年間の記事一覧

斑釉について

斑唐津に範をとり作成しました。 斑唐津は珪酸分が多い原料を使用した灰釉だと思います。古唐津に限らず古陶磁の原料というのはわかっていない部分が多いので、なかなか断定的な事は言えないのですが、おそらく三原料を合わせた釉薬だろうと思います。珪酸分…

堅手について 2

今回作成した堅手も前回と概ね同じコンセプトです。 kirsch.hatenablog.com ただし、焼き方や灰の処理、土石の精製法の違いなどで微妙な違いが出てきます。 玉子手と称される高麗茶碗には、薄灰色の胎に白色の御本などとても淡い色の窯変をおこしているもの…

斗々屋について 2

斗々屋には大別すると2つの形があり、今回はその点を意識して作成しました。つまり、碗なりと朝顔形です。 碗なりのものは本手斗々屋などと呼ばれており、豪快な縮緬皺を呈するのはこのタイプに多いようです。朝顔形のものは平斗々屋と呼ばれ、本手斗々屋と…

熊川について

以下、自作の熊川について説明です。 熊川茶碗は高麗茶碗の一種で、主に形に従って分類されるようです。丸っこい碗なりとはっきりとした端反り、見込みの鏡が特徴です。 釉薬や土は本歌でも非常に多様で、枇杷色のザックリしたそれほど焼き締まってなさそう…

斗々屋について

斗々屋は李朝の時代に作られたものですが、青磁から白磁への移行の過程でいわば徒花的に作られた堅手や井戸などとは全く違う特徴があります。 斗々屋の特徴としては、御本が出ている、白色でない、土がサクサクしていて縮緬皺が出ている、などが挙げられます…

堅手について

堅手は李朝において白磁を目指して作られたが、そうなり切れなかった物の総称という感じでしょうか…。結果的に様々な形態を取るようです。 青磁と白磁の合いの子、焼き締まっているが白くないもの、白さは十分だが焼き締まっていないものなど…。その中で特に…